多摩川の自然
河川敷を占有するスポーツ施設(左)、かつて繁茂していた多摩川のカワラノギク(右)
多摩川の中流域に接する府中市は、対岸の多摩市や稲城市の多摩丘陵とともに豊かな自然的景観の恩恵を受けています。
しかし、人口の増加や開発で多摩川の自然が脅かされていることも事実です。
府中市のシンボルのヒバリの姿や鳴き声も最近ではたいへん少なくなってしまいました。
多摩川の河川敷が市民のための運動公園などに提供され、自然そのものが顧みられなくなってしまっていることや洪水対策のみを重視した河川改修も影響しています。
府中市の「水と緑のネットワーク基本計画」に多摩川の自然の回復というテーマをしっかりと位置づけて、自然を回復させることが求められています。
府中市は2008年4月に制定した府中市景観計画で、多摩川沿線を「景観形成推進地区」に指定しています。
河川環境の保全と修復を図り、市民が日常的に自然と触れ合え る空間づくりを進めています。
特に河川敷では国や都が指定している絶滅危惧種の植物の自生状況を調査すると共に、レンリソウやカワラナデシコなどを保護する活動も行っています。
2015年秋から、関戸橋の東側部分の架け替え工事を、16年間の工期で行なっています。
カワラノギクの繁殖地だった地域も工事区域に入っており、工事期間中カワラノギクを河川敷内の離れた場所に移して、成育を見守る活動も行なっています。