下堰緑地保全活動
四谷下堰緑地の魅力
平成16年6月11日に景観法が成立し、12月施行となった。
府中市でも景観条例をはじめ、「水と緑のネットワーク」の施策づくり、当会でも「水と緑のシンポジュウム」2004、2005を開催。
その一環として9月14日、市内西地区(日新・四谷)を中心に「農のあるまちづくりを語る会」の準備(ヒガンバナを観る記録)のための散策があり参加した。
日新・四谷地区の用水散策
四谷地区の田園風景(用水)は、府中市内に総延長160q及ぶ用水路と、里道55qがあり、その上流(四谷地区)一部を散策した。
“水と緑のネットワークづくり”の重要な拠点である。
ヒガンバナとの出会
さらに西へと進むと、ニセアカシアの孫生・枝が垂下がり見通しも悪く防犯上も好ましくない。
下堰用水路跡(西府用水本宿取水堰跡碑あり)に不法投棄ゴミ(タイヤ・家電・雑貨)を見る。
新聞・雑誌の散乱ゴミにも出会う。
「もし、この地が不法ゴミでなくヒガンバナであった・・・」ならと、散策を楽しむ気持ちも一変。
「下堰緑地、ゴミより似合うヒガンバナ」の合言葉に変わり、この一言が緑地の清掃・保全活動を始めるきっかけとなり、記念すべき散策日となった。
その後、小枝の整理・ゴミの集約(清掃)・ヒガンバナ移植の自主活動を展開。
東西にのびる緑地は西側(多摩川手前)で行き止りとなっており不自然。
行政へ「緑道整備」の提案と行政計画がマッチし協働作業によって、自然を楽しみながら多摩川に通じる散策緑道がH18年3月に完成(開通)した。
“ヒガンバナ”はお彼岸の前後に突如開花、そして晩秋から初春に掛けて青々とした葉が太陽の光をいっぱいに受けて球根は育つ。
他の草木とは正反対な活動周期にヒガンバナの生命力を感じる。
落葉樹林と緑地保全
緑地には80数本のニセアカシアがあり成長は早いが根が浅く、平成20年には台風により7本が倒木。
行政も倒木の危険ありとしてニセアカシアを“倒木危険木”に指定し伐採予定。
また昨年(平成23年)の台風15号では、ニセアカシア22本が倒木して現実となりライフラインに被害を受けた。
被害処理(22本の伐採・抜根作業)後は、以前の落葉樹林を形成するために計画的保全活動として、地域の方々・団体と協働して「ドングリの植え込みと自生幼苗木の移植」を進めている。
下堰緑地の自生植物
クヌギ・コナラ・エノキ・ネズミモチ・ケヤキ・マユミなどの落葉樹主体の樹林地。
ノカンゾウ・ヤブカンゾウ・キツネノカミソリ・ヒガンバナ・センニンソウ・ヤブランなど四季を通じて多くの自生草木を見る事ができる緑地でもある。
下堰緑地の清掃活動
地域の方々・団体とのコミュニケーションも生まれ、月1,2回の清掃活動も活発になった。
また、不法投棄ゴミも少なくなり、植栽・清掃活動の成果が現れてきている。
府中市水と緑のネットワーク“ウォーキング・マップ”(四谷の田園を行く)に紹介され年々訪問客も多くなっている。
グリーンウェイブに参加
国連の「生物の多様性に関する条約」第10回締約国会議 (COP10)が2010年10月日本(名古屋)で開催された。
国連が5月22日を「国際生物多様性の日」と定め、事務局の呼びかけで世界各地の青少年の手で植樹等を行なう「グリーンウェイブ」が実施され、府中市では“下堰緑地植樹祭” として呼応し、24本の苗木植樹を行い今日元気に育っている。